林業技士について
直接的な伐採業務ではなく、林道や造林の計画書の作成をするような仕事の場合は、日本森林技術協会の定める「林業技士」という資格の取得が求められます。前項でも出てきた「林業技士」は、森林を保護しながら、そのうえでいかに合理的に林業を経営するかという指導を専門的に行う技術者の認定資格です。林業技士で森林評価部門については、森林評価士の登録資格も併せた判定となります。
森林総合監理部門の場合は受講資格が厳しくなっています。
- 森林の分析、評価、検証、森林施業管理等の技術、もしくは技術研究に関して指導的立場での経験年数10年以上、かつこれを含めて実務経験が20年以上
- 森林の分析、評価、検証、森林施業管理等の技術又は技術研究について実務経験10年以上
- 林業技士の「森林環境部門」と「他部門」の資格を有している
- 森林の分析、評価、検証、森林施業管理等の技術又は技術研究に関して実務経験10年以上
- 林業部門技術士、博士号取得、林業専門技術員(SP)の資格を有している
というどれかを満たしている必要があります。
森林総合監理部門を除く他の部門は、
- 学校教育法による大学にて、林業、林産又は関連学科に関した正規の課程を修了した者
- 短期大学にて林業、林産又は関連学科に関する正規の課程を修了した者、及び林野庁研修規定による養成研修専攻科を卒業した者
のいずれかが条件となります。こうした受講資格を持つのは、もともと林業を目指している人ということにもなります。
規定の講習を受け、修了認定はレポート(林道技術、治山技術、森林土木と環境調査、労働安全衛生、保安林制度)とスクーリングの成績で決まります。受講申込・問合せについては、一般社団法人・日本林業技術協会林業技士養成事務局までお願いします。
林業技士に関連するその他の資格としては、森林インストラクター、グリーンアドバイザー、ビオトープ管理士などもあります。
「林業技士」は敷居の高い資格かもしれません。そこで「林業作業士」という資格を取得する方法もあります。これは特別な条件はありません。女性の林業作業士もたくさんいます。就職先は、主に各地の森林組合となり、材木の有名産地での林業専門会社もあるようです。